広島 小児科|広島中央通り こどもクリニック 広島 小児科|広島中央通り こどもクリニック

小児循環器診療

当院では小児科全般に加えて、小児循環器疾患の専門的な診療も行っております。
子どもにみられる心臓病には、生まれながら心臓の形や機能に異常がみられる先天性心疾患、心臓の筋肉の病気である心筋症、川崎病に合併する冠動脈疾患、ウイルスが心臓に炎症を起こす心筋炎、不整脈などがあります。
さらに、思春期前後の子どもによくみられる起立性調節障害も対象となります。思春期には体が急に成長し、自律神経のバランスが崩れやすく、朝が起きづらい、頭痛がする、立ちくらみがする、といった症状が出るようになります。自律神経の病気ですが、循環器の対象です。

以下のような症状がみられる場合は、お気軽にご相談ください。

乳児
  • チアノーゼ、顔色が悪い
  • ミルクの飲みが悪い
  • 体重が増えない
  • 泣き方が弱い
  • 呼吸が速い
年長児
  • 疲れやすい
  • 息切れがしやすい
  • 胸がドキドキする
  • 胸が痛い
  • 胸が苦しい
  • 意識を失って倒れた

また、乳幼児健診や就学時検診・学校検診などで心雑音や心電図異常・不整脈を指摘された場合にもご相談ください。

小児循環器で行う主な検査

心エコー(心臓超音波検査)
エコーは、体の中の様子を画像として映し出す検査で、心臓や血管の形、その機能を確認することができます。
心エコーでは、超音波を心臓に当てて、その返ってくるエコー(反射波)を利用してコンピュータ処理することで、画像として映し出せるようになり、心臓の様子を確認できるようになります。これによって、心臓や血管の形や大きさ、動き、弁の状態などを観察していきます。この検査は放射線による検査とは異なり、被曝がありませんので、子どもでも安心して受けることができます。
一方、泣いたり、体動が激しい場合には、確実な診断が困難になります。必要時に眠り薬を使って、眠らせた状態で検査させてもらうこともあります。
心電図
治療の基本は“発作予防”です。
心臓は電気信号が刺激伝導系と呼ばれる「刺激を伝えるための電線」を伝って、心筋細胞を活動させることで収縮します。心電図は、この心臓の電気信号を身体の表面からみたものです。病気発見の手がかりとして用いられ、ほかの検査と合わせて、心臓の形態異常、心肥大、不整脈、冠動脈疾患などを診断していきます。
ホルター心電図
検診などで行う通常の心電図では、限られた時間の間でしか心電図を記録することができません。ホルター心電図は24時間心電図を記録できるため、一時的な異常も検出可能となります。この装置自体は小型・軽量です。ただし、この装置を付けている時は、入浴やシャワー、激しい運動はできません。
胸部X線撮影(レントゲン撮影)
胸部であれば、主に肺・心臓・大動脈などの呼吸や循環に異常がないかを調べる検査です。
X線照射装置とフィルムの間に身体を置き、感光させて画像化します。フィルムはネガの状態になるので、例えば肺は、空気が多いためX線を通しやすく全体に明るく(=黒く)映ります。この肺の中に暗く(白く)映る影が認められれば、なんらかの異常があると考えられます。
小児循環器診療においては、主に心拡大や肺うっ血の確認などに用います。

移植医療啓発のために 小説「たすき」(幻冬舎)

2021年に移植医療啓発目的の小説「たすき」を自費出版しました。

小説「たすき」
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電子書籍はAmazon Kindle、楽天ブックス、dブックなど
紙媒体はAmazonから(オンデマンド ペーパーバック)

現在、臓器移植を必要とする患者の数に対して、ドナーの数はまだまだ少ないとされています。医療者であれば臓器提供意思表示カードは知っていて当たり前なのですが、一般の方にはその存在すら知らないという人も結構多く存在しています(ドナーカードへの記入率は10%程度と言われています)。これは、移植医療というものを知る機会が少ないことも原因と考えられます。
移植医療は決して他人事ではなく、いつ誰の身に起こるか分かりません。それは臓器提供側、移植希望側のどちらにも言えます。移植医療の普及において、作中にもあるように家族や学校などで普段から話し合う機会を設けることはとても大切です。そのため、この小説は中高生にも分かりやすいように書いたつもりです。
より多くの重症児たちに明るい未来を届ける為、移植医療の啓発活動は欠かせないと考えています。決して臓器提供に偏る必要はなくて、多くの人にこの小説を読んでもらって、移植医療について考えるきっかけの一つになればいいなと思っています。